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Red Hearts 8話

第8話『この野暮天野郎ども!』

カルボロニウスを退け、森の奥へと進もうとした一行だった。
しかし目の前からは周辺に群れをなして現れた巨大サイズの食虫植物。
その名はラルジ・カルボロニウス。
まわりもカルボロニウスで囲まれており、状況は四面楚歌だった。
それでもリオナは果敢な態度のまま鞘から刀を取り出し、叫ぶ。

「覚悟はできてんだろうな?
植物やろうども!!
このリオナ様が……」

しかし容赦なく動くカルボロニウスにとって名乗りなどどうでもよく、それが終わる前に触手による攻撃を仕掛けた。
さすがのこの攻撃にスカイが反応する。

「ちょ、危ないぞ!!」

リオナの腕を強引に引っ張り、攻撃を避けさせた。

「まだ終わってねえぞ!
くっそぉ、この野暮天野郎ども!
卑怯じゃねーか!!」

彼女にとっては場をわきまえない一撃だったため、腹を立てたのか敵に対し文句を垂れた。
それでも聞く耳を持たないカルボロニウスの軍団の触手攻撃が始まった。
迫り来る触手を3人は見事回避、それぞれを切断し攻撃を抑える。

「それっ!」

ティニーの胸の紋章が光、手に空気中のエーテルが集中、そこから炎が生成された。
その炎を敵に向かって投げつけると、カルボロニウスの一匹に着弾し、着弾した敵をそのまま燃やし尽くした。

「やるねぇティニー君。
俺も負けてられないというものだ」

スカイも加勢すべく、肩の紋章を輝かせる。
光の色は緑色、彼の属性は“風”の属性だった。

「“我が剣こそ、神速なる風の如し”!」

構えていた片手剣に風が纏われる。
そしてその纏った状態で、スカイはその風を斬るかのごとく剣を振った。

「“空烈斬”!!」

カルボロニウスにはまるで届かない距離から剣を振っていたはずだが、目の前の敵は見事、真っ二つ切断された。
捉えきることの出来ない速度で空を切り、風を起こす事でそれが衝撃波となり、それで分断したのだろう。

「フッ、どんどん行くぞ、貴様ら!」

襲いかかる敵を前に恐れをなさないリオナ達はカルボロニウスの群れを討伐していくのであった。





……そして森での敵との攻防は続く。
15分は悠に経ったが、カルボロニウスの援軍は止まることを知らず、まったくキリがない状態だった。
奥の巨大なカルボロニウスは、じっと動かずこちらを見下ろすように待機していた。

「くっ、援軍ばっかでキリがねえなあ……どうにかあそこで偉そうにしてる親玉んところいけりゃあな」

リオナ、ティニー、スカイの3人は背中合わせとなる。
襲い来るカルボロニウス相手に長期戦を持ち込んでしまったばかりに疲れが見え始めていた。

「一体なら少しの火ならいいけど、これだけ多いと大量の炎が必要かも。
となると森を焼き尽くしかねないし……。
それはあまりにも危険すぎるよ」

その焦るティニーの提案に対し少し間を置いたところでスカイが答える。

「……君達、ここは俺に任せてくれたまえ。
火が駄目ならば風の魔道であるこの俺が何とか退いてみせる……ふっ!」

地に拳を向けて、勢いよく殴りつけた。
するとその場に人が2人丁度入れそうな大きな穴が出来上がる。
前方へと吹き飛ばすかのように土が散乱し、カルボロニウス達を流れで見事撹乱させていた。

「よっし、この穴で待機しててくれ。
俺のこれからする技は少々危険でな。
君達も巻き込みかねない大技なんでね」

そういって、2人へ穴に入る事を促した。

「そういってお前、俺から見せ場奪おうっての……」

「まぁまぁ、俺にまかせておいてくれよ」

スカイの提案に今いち気に食わなかったリオナだったが、仕方なく一歩下がり、

「ちっ、わかったわかった、ティニー、先に入れ!」

そういって、2人は言われた通り穴の中へと入ったのだった。

「さぁて貴様ら、俺を誰だと知っての行為かな?
もしこのまま引き下がれば見逃してやるが、それでも突き進むなら全力で相手になってやろう。
貴様らは……どっちだ?」

カルボロニウス達は進軍を止める事はなく、スカイの元へと一直線に進む。
そのカルボロニウス達の行動を見て、フッとスカイは鼻で笑った。

「そうか。
では容赦は必要ないな。
貴様らがそうするなら俺もそうするまでだな。
“我が剣、舞い上がるは龍の舞の如し”!!」

「喰らいたまえ、“龍舞真空斬”!!」

紋章が輝きを増すとスカイ自身に風が吹く。
それはあまりにも強風であり、吹き飛ばされてもおかしくないほどの風速である。
スカイはその風を体全体で巻き込み、回転を始めた。
みるみるスカイを中心に超巨大竜巻が出来上がる。
周辺にいた大量のカルニボロウス、そして木々だけを巻き上げ、全てを切り刻みながら回転を早めていく。

……暫くし回転を止めると、竜巻もそれに合わせて止んだ。

「掃除……完了だ」

チャキンッと、剣を腰の鞘へ収める。
その音とともに、空へ飛ばされていたカルボロニウスや木々を全て分解してしまった。

「す、すごい……」

穴から様子を覗いていたティニーは圧巻の一言を漏らした。
リオナはチッと舌打ちしながら、

「……けっ、お強いこって」

彼女はそっぽを向き、スカイにあえて冷たく接した。
返す言葉もなくスカイはただ苦笑いをしていたのだった。





2人は穴を出、外にでる。
竜巻が起こったところだけ見事に“ハゲ森”という感じになっていた。

「あらら、派手にやってしまいましたね……。
親玉はまだ元気みたいだけど」

ティニーが親玉がいたあたりを指差すと、そこにはたしかに親玉がそびえていた。

「っつーよりは、竜巻に巻き込まれずに助かったってわけだな……。
なんにせよ、ぶっ倒してやらぁ!!」

首を鳴らし、近づこうとしたところでティニーがリオナの腕を掴んで止めた。

「お姉ちゃんちょっとまって!
なんか……なんか様子が変じゃない?」

ティニーのその言葉に従うようによく見ると、確かに親玉の様子が変だった。
親玉が降参したのかリオナ達へ背中を向けた。
その背中からリオナたちが覗く。

「……子供を守ってたのか」

そこにはカルボロニウスの子供達が産声を上げていた。
そう、カルニボロウスは森への侵入者を防いでいた理由が自らの子供を守るということだった。
気を悪くしたリオナがその親玉へ、

「悪かったな。
まさか子供を守ってるなんて思わなかったんだ。
許してくれ。
……でもよ、子供を守ってるんならなおさらだ。
もう無闇に人を襲うんじゃねえぞ。勘違いされるからな。
俺たちみたいに」

そう言って立ち上がり、リオナは、スカイとティニーに、

「さ、出口を目指そう」

3人はそのままカルボロニウス達のもとから去ろうとした。
しかし、シルシルシルと、一本の触手がリオナの足に巻きついた。

「お、おい!!」

スカイがリオナの危機を察知したのか剣を取り出そうとしたが、

「いや、大丈夫さ」

そういって安心した表情のままリオナはカルニボロウスの方を向く。
もう一本の触手がリオナの方へ伸びる。
触手が差しだしたものは、可憐な“花”だった。

「こいつを、俺にくれるのか?」

リオナの質問に答えるべく、カルボロニウスは、リオナの手のひらへその花を残す。

「ありがとよ。
子供、元気に育つといいな」

彼女は笑顔で言った。
その触手が、リオナのもとから離れていった。
スカイに分解されていたはずのカルボロニウス達も自己再生で全匹元通りになっていた。
それらも離れていくリオナ達を見守っていた。

「いいのか?」

スカイがそういうと、リオナは妙に納得した顔で、

「いいんだよ。
やっぱり植物は野暮天揃いじゃねえ、それがわかった。
ただそれだけ、それだけじゃねえか」

花を指でくるくる回したりして眺めてそう言ったのだった。

3人は森の出口を目指し歩いていった。
大勢の植物に見守られながら……。





――しばらくし、ようやく森の出口へとたどり着いた一行。

「はぁ~~……。
ようやく出れたね、お姉ちゃん!」

欠伸をしながら、ティニーが言った。

「目の前に、町が見えるな。
今日はあそこで休もうぜ、ティニー」

リオナがそう言うとティニーは喜んで頷き、

「うんっ!
夜も近いから早めに宿も探さないとね。
それで……スカイさん、これからどうするんですか?」

その質問にスカイは少し考えたが、

「森を出るのが目的だったからな……。
これ以上は自分の足と頭で行く事にしよう。
君達は相性のいいパートナー同士で羨ましいところだな」

そう言ってスカイはリオナ達へ握手を求める。
リオナはその手を見て、彼の期待にこたえるべく無言の握手で返した。

「フッ、それじゃあな。
大会、頑張りたまえ」

スカイはリオナ達へ別れの言葉を告げ、さっさと去っていってしまった。

「それじゃあティニー……今日も色々あったし……宿さがしにいこうぜっ!」

「うんっ!」

壮絶に繰り広げられると予想される大会の予感を前に、リオナ達へ残された時間はあと5日である。

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RHは現在もガンガン進行中!(?)長期休載とかなるべくしないように頑張るぜ!!

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