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Red Hearts 3話

第3話『その名も“RedHearts”だ!』

コックロアチを見事打ち倒し、洞窟内で2人が見つけたのはロアチの犠牲者となってしまった人達の亡骸だった。

そして、子供の亡骸の傍に、無残にも引き裂かれていたテディーベア。
少女の物とも思わせるその人形からは少女の記憶があたかも現れたかのような、そんな悲しい面影を残していた。

今を生きる人々には辛すぎる世界、残酷すぎる世の中。
リオナとティニー、各々はそっと両手を合わせ、冥福を祈ると同時に冷酷無比のこの世の中に終りを、そう誓いを立てたのだった。





2人は次の村を目指すため、洞窟を出て、再度分かれ道に戻る。
さり気無く看板の向いている方向を洞窟から元の道の方角へ戻しておき、そして2人はリザ村へと足を進めるのであった。





そしてそれから数分後。

「よっしゃ!リザ村に着いたぜ!」

ようやくリザ村へと辿りついた2人。
道も一直線に近かったためかすぐにでも着いてしまったようだった。

「とりあえずギルドに行こう。
ここの町の様子とか色々知る必要がありそうだしね」

そのティニーの提案により、リオナ達は早速リザ村のギルドへと立ち寄ったのだった。





「あんたたち、良く来たね、話は通っているよ、リオナ、ティニー」

入った瞬間に見た事のあるような姿のギルド役員がリオナとティニーの前に居た。
それを見た2人は驚いた顔で、

「クイーアの婆さんじゃねえか!?」

リオナが声をあげるように確かめた。
しかしながら、リオナが思っていたその人とは違った。

「ああ、わしらは姉妹なんじゃよ。
クイーア姉さんじゃないわい。
わしはクイーイ、ここの村のギルド役員をさせてもらっとる」

その言葉に、少々安心したリオナは、

「あ、そうなのか……顔がすげえ似てるから思わず驚いちまったぜ……ははっ」

笑いながらそういった。

とりあえずティニーはクイーイへと、

「おばあさん、僕たちが溜め込んでたギルド経験値、清算してくれませんか?」

クリスタルに溜め込んだ物を清算すべく頼む。

「わかった。
それじゃあ、お前さんたちのクリスタルを見せてくれ」

クイーイの言う通りにし、リオナたちは、ペンダントを見せた。
そのまま、まじまじとペンダントを見つめ、

「……フム、リオナ、経験値はそれなりに入っているがランクに変更はないぞ。
それでも結構溜まったと言えるかのう。
まあしかし頑張ればお主ならランクアップできるのう。
……それにしても、2匹もCランクを討伐するとはな。
姉さんから聞いたとおり、ぬしらやっぱりタダ者ではないのう」

クイーイがリオナのクリスタルを眺めながらそう褒めると、リオナは、

「いやぁ、それ程でも……」

照れながらそういうと、机に掛けてあった杖でリオナの頭を叩いた。

「調子に乗るでない青二才が!……次はティニー、おぬしのペンダントを」

頭を撫でるリオナをよそに、ティニーのペンダントを見る。

「おお、お主ランクアップしたぞ。
EからDじゃ。
あれだけのロアチたちと戦ったのじゃから、少しくらいは強くなっとろうて。
じゃが、まだまだ精進じゃ。
Cの壁もすぐそこに見えておる」

「はい!ありがとうございます!」

そう快くお礼を言うティニー。
クイーイも笑顔で返す。
と、ここでクイーイは思い出したように、

「ところで、2人は“パーティ”のようじゃな。
パーティで出歩く分なら規約とかないから任意じゃが、もし必要ならば“チーム”もつくってみるとよいぞ」

彼女の言葉にリオナはなんのことやらと疑問気に、

「なんだよ、パーティとチームって、何がどう違うんだよ?」

リオナがそう聞くと、クイーイは机の中身を漁りながら話す。

「まあ、わしの口からは長いので説明できん。
この紙を見ることだ」

リオナ達は、渡された紙を見ると、

「えーっと……なになに……“G-Aギルドへようこそ!”……なんだこのおちゃらけたの」

「いいからその先を読むことじゃ」

クイーイの言われるままにリオナ達は続きを読む。

「えっと、パーティ、チームについて……

・パーティを組んでいることで、もし片方がEランクで、片方がCランクならば、Eの者もCの仕事を請ける事ができます。
つまり、レベルの高い方を優先するということです。

・パーティの場合は任意なので必要はないのですが、もし必要ならば、リーダーを決めてチームをつくることができます!

・それについてもギルド役員からG-Aのあなた達へ、チーム名を紙に記入させ、そしてその記入したものを役員がギルドマスターへと提出します。
そこで晴れて、あなたのチームが正式なものとして認められます。
あとから隊員が増えた場合でも再度ギルドへお越しいただいて、隊員が紙に名前を記入することで入隊が可能ですから安心です。

・脱退をしたい場合も、上記と同様です。
同じようにギルド役員に問い合わせください。

・長所は上記で述べた事、そして何よりも力をあわせて戦うことが出来るので、仕事を1人よりも簡単にこなすことも可能です。
より協力な魔物も力を合わせて倒す事も出来ます。

・そしてチームを造ることで、クリスタルに仲間を思い浮かべる事で、“その人の現在地”などを知ることが出来るようになります。
また、クリスタルペンダントで連絡を取り合え、多少離れていても、遠くのチームメンバーと会話が可能です。
ただ遠すぎると、仲間の位置以外を知ることが出来なくなるので要注意です。

・もしどこかのチームに入りたい!という方は、そのチームの団長の許可を得る事を条件として、入隊することができます。
実際に許可を貰ってください。

説明は以上です。
それではG-Aの皆様、がんばってください。
……だとよ。
チームか、……よし、ティニー!
俺達もチームを造っちゃおうぜ!」

リオナの突拍子の無い提案にティニーは少し不安になりながら、

「だ、大丈夫かな……?」

と言った。
しかしリオナの考えは止まる事を知らない。

「大丈夫大丈夫!
作ったところで減るもんも何もないだろうし、俺を信じとけ!
婆さん、早速だけどチーム造らせてもらうぜ」

勢い良くクイーイへと意志を伝える。
成る程、と頷くクイーイは、

「それじゃあこの用紙にチーム名と、お主らの名前じゃろ、それから……ああ、あと団長も決めるように。
まあ、言わなくても決まっとるようなもんか」

そういって、紙を取り出し、リオナへ渡す。
彼女はフフフと口元で笑い、ニヤついた顔をしながら紙へ記入しながら考えを話す。

「名前は既に決まってる。
熱き心が燃え盛るそんな俺達のための相応しい名がな」

その一言に思わずゴクリ、とティニーは固唾を飲んで見守ってしまった。

「その名も……“RedHearts”だ!」

大きく紙に書かれたチーム名を見てやはりか、という呆れ顔をしながらクイーイは、

「熱き魂を持つ者たち……ふむ、そのまんまじゃのお……」

「そのまんまでもいいじゃないの!
よし、団長はもちろん俺!
んで、副団長はティニーでいいよなっと!
ってか2人しかいねえからそうなっちゃうけど」

そう言いながらリオナは続きをスラスラと書き進め、そしてそのままクイーイへと渡した。

「では、ギルドマスターのところへ直ぐにでも提出しておこう。
これでお主らは事実上、チームを造ったということになったの。
どれ、クリスタルに魔道をかけなおして追加しておこう。
紙を読んだと思うが、これをかけておく事で、チーム内同士での連絡の取り合いやメンバーの位置を知ることが出来るようになる。
クリスタルを持ちながら探している相手の名前を思い浮かべれば、頭の中にそやつがどこにいるか、情報が流れこんでくるからの。
連絡をとるときも使い方は一緒じゃ」

リオナとティニーのペンダントに、特殊な魔道をかける。
そして、完了するなり、クイーイは、

「ところでおぬしら、魔道は慣れたか?」

話を切り替え、1つ気になった事を聞いてみた。
ティニーは、首を横に振り、

「いえ……ここに来る前に一度魔物相手に魔道を使うことが出来たのですけど、たまたまだったので……。
まだコツというコツを掴んでないんです」

肩を落としながらティニーが残念そうに言うと、ここでクイーイは、

「それじゃあお主等に、少しだけコツというモノを伝授してやろうか。
ぬしら、人差し指を立てい。
火だったら、火を頭の中でイメージして、その人差し指からでるように想像してみるんじゃ。
簡単なことじゃぞ」

そういって、リオナとティニーに人差し指を立たせ、イメージさせる。
すると、

ボッ!と、リオナとティニーは胸元の紋章が光り、指先からは確かに火が出ている。

「……そういう要領じゃ。
そんな感じに使いこなせるように、精進するとええ」

クイーイは2人が助言通り出来た事を確認し、席に座りなおす。
リオナとティニーは、

「ありがとうよ!」

「ありがとうございました!」

2人でお礼を言った。
これで少しでも実践で自在に使えるようになれば戦力があがるという事で、2人には願ったり叶ったりの事だった。

ここでリオナは、スタスタと、紙が張られている掲示板のような所へと歩き出す。
その紙とは、“指名手配”などが書かれた紙ではなく、人々の悩みなどを解決する“仕事”の方の紙だった。

「……ほお、お主の第1印象は頭とかではなく体で動くタイプかとおもったんじゃが、案外そうでもないようじゃの」

クイーイがそういうと、リオナは、微笑みを浮かばせ、

「そうさ!
少しでも強くなって、俺達の名を轟かせるには、強者であることが必要不可欠だと思うからな。
魔物を倒すことが出来るのも確かに強者。
だけど、身近な事で人を助けることが出来るやつも強者だって、親父がよくいってた」

リオナはそう思い出すように言う。
ここでリオナはクイーイの方へ振り向き、

「俺は親父のようにでっけえ存在になる!」

ピシッと、人差し指を天へ向けて、

「それどころか、親父という名の天井を破って、いつかは俺も天を目指す!」

と、近くにあった椅子に片足を乗せながら言い放った。
リオナのコメントに、ティニーはクスリと笑いながら、それとは別に惹かれるものを感じていたようだった。
それを聞いたクイーイは微笑みながら、

「……そうかい。
……ところで、そっちの紙はDとEばっかの仕事じゃからのお。
C以上の仕事は、実は今整理してたところなもんでな、ここに持っておる」

その言葉にリオナはすぐさま、クイーイのもとへ寄る。

「婆さん……そういうのは早く言えって」

どんな仕事があるのかと、2人は、クイーイがもっていたCランク向けのその紙を見る。
EとDの仕事は大抵のは、畑仕事から運搬などが多かったようだが、Cともなると、護衛や討伐などがメインとなっている。
つらつらと眺めるうちにリオナは、自身の心が疼いたのを感じた。

「おばあさん、とりあえず、この村にある仕事に絞れる?
折角この村にきたんですから、この村の仕事を見せてください」

ティニーのその言葉に、クイーイは頷く。
何十枚とあった紙のなかから、リザ村の紙を次々と取り出していく。
全部でその数は3枚だった。

「あ……この仕事……」

3枚のうちの1枚にティニーは目を向ける。
そしてリオナは、ティニーが目を向けていた仕事の紙を横から読み上げる。

「なになに?
“病気の子のための薬草をとってきてほしい”……か。
医者が言うには、その薬草が必要なのですが、近くの森の中にあるその薬草へ行くには大変危険すぎるため、G-Aへお願いしました。
詳しくはギルドを出て東の3丁目まで……」

確認が終わると、よーし、と頷きながら、

「よし、俺達の仕事は、コイツで決定だ」

リオナはあっさりと決めた。
リオナ達にはこれが初仕事となるわけだが、ここでクイーイは、

「わかった、ではわしにクリスタルを。
クリスタルへ仕事内容を記憶させてから初めて仕事はスタートじゃ」

そういって、クイーイは、2人のペンダントへ仕事内容を記録させるために魔道をかけたのだった。

「んじゃ、依頼主のところいくぜ!」

完了するなり、リオナ達は急いで依頼主のもとへと向かった。





2人が依頼主の家に到着するなり、

「確かここだよな」

地図と同じ場所である事を照合し終わると、リオナはその家の扉へノックする。
すると、家の中から疲れ果てたような顔の人が出てきたのだった。

「そのペンダント、G-Aの方たちですね、お待ちしておりました……。
中へお願いします」

そう言ってリオナ達を家の中へと案内する。
奥へと歩くが、広くはない一軒家だったため、すぐに目的の部屋へ到着した。

「……ここです。
お入りください」

ガチャッと、依頼主が扉を開ける。
リオナ達も続いて中へ入った。

部屋の中にはベッド、椅子、テーブル、本棚と、ごく普通の部屋のようだった。

そして、導かれるままに二人がベッドへとたどり着くと、1人の女の子がそこで横になっていた。
目は虚ろだが呼吸はしている。
しかし依頼主が手をかざしてみても彼女からは何の反応もない。

「……私の娘です。
もう2ヶ月もこのままなんです。
こうなった原因は、この子が森へ散歩へ出かけた際に、モンスターの神経毒を受けてしまったんです。
……その神経毒は、この子のように受けてしまうと生涯植物状態のまま暮らさなくてはならなくなってしまうほどの毒なんです。
ですが……その神経毒は、モンスターの体内にあるワクチンをこの子へ接種することで元に戻るそうなんです」

依頼主は、人形のようになってしまった自分の子の頭をなでながら、

「しかしながら高いお金を払うこともできず……。
ギルドの方には、ワクチンを取る場合なら、その魔物の強さでBランク級に、薬草で気休め程度ならCランクということで、私がギルドへ要請したんです。
Cランクならお金もなんとか払うことができると考えて……いっそそれならばと。
薬草でもいいんです、この子が生きていてくれるだけでも、たとえいまここで人形のままでも、死んでしまうよりは……」

事情を聞いたリオナ達は黙って2人の様子をじっと見ていた。
ティニーは湧き出そうになる感情をなんとかぐっとこらえ、

「……わかりました、僕達にまかせてくれませんか」

と、一言そう言った。
依頼主は頭を下げ、それから話を続ける。

「……この村を出て北西にある、“ルパナの森”に、その薬草は生えています。
ですが注意してください。
そこの森に、この子のようにしてしまう神経毒を放つ魔物がいます。
どうかお気をつけてください」

「そうですか、わかりました。
安心してください、必ず仕事はこなします」

ティニーがそう言うと、依頼主はその言葉に感謝の気持ちを伝えた。

「ありがとうございます……。
あなたたちも気をつけて」

その一言を聞き終えるなり、扉を開けて出ていくリオナとティニー。
扉の外、2人の間に沈黙が走る。
リオナはぐっと自分の手を握りしめ、

「よし、行こうぜティニー。
俺達の初仕事だからな。
……失敗はできない」

彼女の言葉に、ティニーは頷く。
タッと走りだすリオナの背中をティニーが追いかける。

失敗は許されない初仕事をこなすため、依頼主たちの思いを無駄にしないためにも、2人はルバナの森を目指すのだった。

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RHは現在もガンガン進行中!(?)長期休載とかなるべくしないように頑張るぜ!!

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Author:凱ガイ
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