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Red Hearts 17話

第17話『うるせぇんだよ!』

≪お待たせいたしました!!これより、G-A闘技大会、Bランクの試合を始めたいと思います!!!Cランクではあれほど熱い戦いが見れたということで、Bランクでは更なる白熱した戦いが繰り広がると思ってもよいでしょう!私現在、大変に熱い気持ちが胸の中で渦巻いております!BランクはCランクよりG-Aの方が多いのですが、それ程長く楽しめると思ってまず間違いないでしょう!!≫

ワァァァッ!!と、大きな歓声があがり、会場はますます盛り上がる一方だった。




―さて、当の主人公の方はと言うと――、

「お、おねえ・・・ちゃん?だ、大丈夫?」

ティニーの呼びかけに答える事無く、異様なまでにその体を震わせていた。ちなみにティニーも包帯を巻いてはいるが、よくもこれほどで済んだものだと思える程度の軽傷だった。

リオナはいつも、肝心の時にこそ力を出してきた。が、今回ばかりは緊張のせいか、その様子は赤子同然だった。

「えーっと、リオナ選手?まもなく試合が始りますので準備の方をお願い致します!」

そう係員から声をかけられると、リオナは立ち上がり、

「いってくる」

と、らしくない一言だけで、リオナは控え室を出て行った。

見ていたティニーは不安でならなかった。いつもはこんな事で怯えたり震えたりしないお姉ちゃんが――。そんなティニーを見て、同じくリィナも不安そうな様子を見せる。

「ねえ、エレ、リオナちゃん、どう思ってたかわかった?」

聞いて見るも、エレも黙ったままだった。彼女もまた、リオナと同じくBランク。同様に緊張もしているはずである。

「っと、エレも試合だったんだっけ・・・エレも頑張ってね」

リィナの励ましに、コクリと頷く。二人のこれからの試合、そして今まで伏線を残していった忘れられそうなキャラクター達、彼女達の戦いを、共に見届けていこうではないか―。





≪さて、Bランクの試合も2試合目!続いてはこいつらだァァァ!!!紹介しましょう!右手のコーナーからは、誰もが聞いた事のある名前ではないだろうか?伝説のG-A、その名を世界へと馳せた剣豪、ガイ・レッドハート!!彼女の名前もなんと同じくレッドハート!恐らく彼のお嬢様ではないでしょうか!!この試合、期待が持てそうです!!その名も、リオナ・レッドハァァァァト選手!!!≫

ザッザッザッと、いつになく真剣な表情で、闘技場のフィールドへと入る。おお~!という声から、ホントかよ!などの声が響く。試合が始まってすらいないのに、リオナの身の上の説明だけで会場はまるで燃え上がったかのような盛り上がり方だ。

≪対するは!Bランクきっての巨漢!背丈は2メートルを越えます!大食いの名に恥じないその大きさからはとてつもないパワー!大好物は唐揚げです!!その名も、ギガンツ・ジーアンツ選手!!!≫

観客に手を振る事もなく、持っていた大きな棍棒を握り締め、じっとリオナの事を睨めつけていた。

≪試合開始!!≫

カァン!とゴングが響き試合が始まった。にもかかわず、ギガンツがここで話を始めた。

「よう、さっき唐揚げ喰ってたお嬢ちゃんがあのレッドハートの娘とはね、だがよ、俺様が相手となるとあんたみたいな有名な人の親父さんを持っているお嬢ちゃんでも手加減はできんからな。挽き肉にする気はねえがそうだな、俺様が許してやれるように可愛くギブアップするってんならこの試合・・・」

「・・・せえ」

話の途中で、リオナが何かを口ずさんだのがギガンツにも聞こえた。完全に聞き取る事はできなかったが。

「ん?なんかいったか?人の話は最後まで聞くもんだ。教わらなかったのか?」

自分の頭を人差し指でぐりぐりしながら、頭が弱いのか?といった感じにジェスチャーする。

≪あ、あの~・・・・試合始ってるんですけど・・≫

会場がどよめきだし、さすがのアナウンサーもこのどよめきを沈めるために放った渾身の質問だった。

「落ち着け、アナウンサーの兄ちゃん、俺様は女を殴るのは好きじゃね~んだ。女は女らしく、家に帰ってママのお手伝いしてな!ってことをこいつに吹き込んでる・・・」

「・・・るせえ」

またもや途中でリオナが殺意に満ちたような声で、今度は誰もが80%は聞き取れたはずの台詞を吐いた。さすがのギガンツも、諦めたのか、呆れ顔で、

「・・・仕方のねえお嬢ちゃんだ、おい!レフェリー!一発KOさせるから、ゴングの準備しとけよ!!!」

ガシッと棍棒を握り、構えを取り、そしてその大きな体でリオナに向かって突撃していく。

「その減らねえ口、俺様が塞いでやる!!!」

リオナは立ち尽くしたまま、まさかこのまま一発KOの一撃を貰ってしまうのか、そしてギガンツの棍棒が振りかぶられた。

「オネンネしてな!ガキがァァ!!!!」

ブンッ!竹を割るような縦一閃。巨漢のパワーを生かした、脳天への必殺の一撃。その容赦ない攻撃に観客の誰もが固唾を呑む。

―が、しかし目の前にいたリオナの姿がない。ギガンツが辺りを見渡そうとしたその瞬間、

「お前は・・・ごちゃごちゃと・・・!!!」

ギガンツの下から声がした。既に懐に潜っていたリオナの姿があった。ギガンツは巨漢だが、大きさが生かせない至近距離は苦手なのだろう。それが仇となってしまった。その隙を無駄にするリオナではない。握り締めた拳が、ギガンツの顔面をロックオンしていた。

「うるせぇんだよ!ゴルァァァァァァァァ!!!!!!」

バキィッ!!!豪快な音をたててリオナの拳が顎に直撃する。炸裂したアッパーカットの威力に逆らわずにギガンツは宙を舞い、力なく地面に落下し、そのまま気絶した。この状況を理解するのに観客達は数秒かかった。レフェリーがゴングを鳴らして観客たちに気付けする。

「ギガンツ選手、気絶による戦闘不能とみなし、リオナ選手の勝利!!!」

≪な、なんということだああああ!!自信ありげにKOさせると言っていたギガンツ選手を、たった一撃でKOさせてしまったぁぁぁ!!!立場逆転とは此の事なのでしょうか!?強い!レッドハートの名前は形だけではなかった!!リオナレッドハート選手の勝利、このまま2回戦へ進みます!!!!≫

アナウンサーの言葉に、リオナはハッとなり、

「ちくしょう・・・折角の俺様の出番なのに、こんなやつに無駄に使っちまったよ・・ちぇ・・・」

先程の震えはただの出番復帰の武者震いだったようだ。ブツブツと言いながら、リオナはフィールドを後にした。それをどこかから見つめる一つの影。

「フン、あいつ、俺が見ねえうちに、すっかり”俺に似て”きやがったな・・・」





そして控え室。

「お姉ちゃん!お疲れ様!あんなおっきな人を伸ばしちゃうなんて、やっぱりお姉ちゃんはすごいなぁ!」

目を光らせて、ティニーが嬉しそうに迫る。

「はいリオナちゃん、タオルだよ。これで汗拭いてね」

リィナがタオルをすっと出し、汗を拭くように指示する。

「ありがてえ、つっても、一撃で終っちまったから、汗なんてでてねえんだけどな」

微笑みながら、その返答に、リィナも微笑みを返す。

「ホントよね、まさか一撃で終るなんて、私思いもしなかったもん。やっぱりすごいのね」

笑いながら雑談していたところ、エレに対し、係員がやってきて、

「エレッサ・エキドゥナ選手ですね?次の試合ですので、入場をお願いします」

数ミリの動作だけで頷き、そのまま椅子から立ち上がり、エレは奥へと歩き出す。

「エレ!頑張れよ!なるべく最後まで残れよ!!」

リオナがそうエールを送ると、少しだけ振り向き、そのまままた前を向き、歩いていった。

「そういやあエレの戦い方、見た事ねえけどどんなんなんだ?」

リオナがリィナに質問した。が、

「ううん、ダメ、私は答えられない、でも、一つだけヒントを言うなら、前も言った通り、エレは”心が読める”の。感受性が人一倍高いのよ。無機質な相手になら弱いかもしれない子だけど、有機質、つまり私達人間や、意志を持った魔族とか相手なら・・・・今まで、負けた所は見た事がないかな」

そのヒントに、成る程と言った感じにティニーは、

「心を読める・・・ね」

「でも、その能力のせいであの子は・・・」

虚ろな目で彼女は途中まで語りかけたところで、リィナは口を塞ぎ、

「とと、そんなことより、エレの試合、そろそろ見に行こうよ!ね!」

リィナは、リオナとティニーの手を引っ張り、観客席へと向かうのだった。とここで、奥から一人、こちらへ歩いて来ていた。その姿は忘れる事はない、リオナは忘れていそうだが―。

そこにはレヴィアの姿があった。

「!あなたは・・・リオナさん・・・ここで会えるとは、まあ可能性はありましたが」

偶然会った事なのだが必然と解釈するレヴィア。リィナはティニーの耳を借り、

「ねえ、あの人、どなた?」

ひそひそと話しをする。ティニーは、

「レヴィアって人だよ、僕らが大会に来たのも、この人が教えてくれたからなんだけど・・・多分お姉ちゃん覚えてないだろうな~・・・」

と、ひそひそで返した。そしてここで呆けていたリオナが反応をしめす。

「レヴィアだっけ?お前の望み通り、エントリーして、今1回戦勝ち進んだぜ」

珍しく覚えていたリオナの反応に、少し驚愕したティニーとレヴィア。

「・・・あなたの先ほどの戦い、拝見させてもらいました。まあ、相変わらず野性味溢れるといいますか・・・まあとにかく、決勝まで勝ち残ってください。あなたとはそこで決着をつけます」

ここで、一つ疑問にティニーが思った事を口にした。

「えっ、決勝までずっと当たらないってこと?」

と聞く。コクリとレヴィアが頷き、

「ええ。幸運にもです。あなたの精神論は所詮結果が見えない行き当たりばったりだけの、後先考えない考えだという事を私が教えます」

ビシッと人差し指でリオナを指差し、牽制する。

「へっ、お前こそ、確率とかいって、算数の上で精々足挫かないようにダンスでも踊ってるんだな!」

ムムムと、リオナとレヴィアの前からは火花が散っているようにも見える。

「ふう、とにかく、決勝まで来て下さい。例え身内戦だとしても、負ける事は私が許しませんから。・・・それでは」

そういい残し、レヴィアは去っていった。何故いちいち喧嘩腰なのかはリオナにはいまいち解せなかったが、ライバルが一人でも多ければ燃えるリオナにとってはやはりどうでもいいことだった。

「思わぬ時間かけちゃったな・・・さ、エレの試合見に行こうぜ!」





――ここで一つ、番外編を書き残しておこう。

Bランクの試合、エレッサエキドゥナの試合が始まった辺り、クロス・セイヴァーとエドナ・レイグリーブ。なんと迷子の二人組みが戦う事は既にトーナメント表上、決まっていた。が、やはりここでクロスが迷子になっているのは言うまでもない。試合時間までは全然間に合うものの、とりあえずは控え室の場所を知っておきたい。観客席をうろうろしているクロスは、とりあえず観客の人、目の前にいる二人組みに聞いてみることにした。

「あ、あの~!」

と一声掛けてみたものの、この二人組み、イチャイチャとしていて全くクロスの話を聞いちゃいない。

「あはぁ~ん、サンダ・ライデニング、あなたが好き好き好きよぉ~」

「俺だって負けないくらい好きさぁ~エリィ・デュナスぅ~~~」

フルネームで言う必要はあるのか?と突っ込みを入れてやりたいがもはや近づき難いオーラを充満させている。実際に他の観客もその危険地帯を避けている。こりゃダメだ、と呆れ返り、違う客を当たる。

次の標的は、あの赤髪のポニーテールが可愛い女の子と、黄色の髪の平凡な少年と、青髪のあの子達に聞いてみよう。

「あの~!すいません!」

この一言に、赤髪のポニテの子が先に振り返った。

「ん?」

ここでクロスの中で脳内変換された。揺れ動く可愛らしいポニーテールをとりまく、背景の光、滑らかに肩を滑るその髪の毛の動きに魅了されたかと思いきや、今度は顔の方でもレベルが高いときたものだ。クロスの心にグッと来たものがあった。

「あ、あああの」

思わず戸惑ってしまったクロスの挙動不審っぷりに、赤髪の子は、

「なんでえ、ハッキリしねぇな、今俺達は忙しいんだ、他当たれ他」

シッシ、と、手で払いのける仕草をし、そのままクロスを突き放した。しょぼくれながらもクロスは、とりあえずその子達のもとを後にし、次の標的を探す。

おや?白髪のあいつ、一人で歩いて、どこか挙動不審だな、まあいいや、とりあえず聞いてみよう。

「あの!すいません!控え室ってどこだかわかります?」

そう聞くと、その男は振り返り、

「あれ、奇遇ですね、俺も控え室の場所忘れちゃって、探してた所なンすよ、一緒に探しません?」

同士だったか、というのはともかくとりあえずクロスはその白髪の男を仲間に加えた。


歩いているうちに、ここで偶然にも係員を発見した。

「あの、係員の人ですよね、選手控え室ってどこですかね?」

クロスのその質問に、係員は振り替えり、

「ああ、クロス・セイヴァーさんと、エドナ・レイグリーブさんですね?丁度よかった、私もあなた達を探していました。あなた達の試合がまもなく始りますので、お連れしたかったのですがどこにもいらっしゃらなかったようなので、見つかってよかったですよ」

え?

という驚愕と間抜け顔が合わさったような顔で、二人は顔を見合わせる。



「「お、お前が俺の対戦相手だったのかぁあ!!?」」



二人同時に同じセリフを吐く。

「仲がよろしいようで、それでは、控え室の方へ案内いたしますので、しっかりついてきてください」





―そしてこの後仲のいい二人は、仲良くダブルKO、共倒れをし、二人とも失格になってしまったとさ。

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RHは現在もガンガン進行中!(?)長期休載とかなるべくしないように頑張るぜ!!

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