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Red Hearts 31話

第31話『リオナちゃん、子供好きなんだね』

幽霊船内で、落とし穴に落ちたリオナとリィナは上から見下ろすティニー達へと大丈夫である事を伝えた。
その場所はどうやら一つの部屋のようで、奥へと続く扉が一つあるようだった。
リオナ達はそのまま道なりに進む事を伝え、ティニーとエレは上の階の探索、リオナとリィナで下の階の探索が開始した。

「それにしてもなんだってこんなところに落とし穴作ってやがんだ……?」

リオナはあぐらをかいたまま落とし穴の場所を見上げた。

「そうよねぇ……見たところ、この部屋何にもなさそうだし……あるのは扉だけね」

リィナは扉の方を向く。
リオナも立ち上がり、落とさずに持っていた蝋燭に火を灯し直すなり、扉のある方角へ光を向ける。

「そうだな。
とりあえずはこの部屋から出てティニー達と合流しねえと……」

「うん、そうね」

そうして2人は扉の方へと歩き出す。

近づくにつれ、その扉は想像よりも少し大きく、鋼でできた扉のようだった。
所々錆が目立っている。

「いかにも重そうな感じな扉で……ふっ!」

リオナはドアノブを握り、扉に力を込める。
ギギギィ……と、錆付いた音を立て、ドアは開いた。

「錆びてやがる割には軽かったな。
まあ深い詮索はいいか、とりあえずは奥へ行くぜ、リィ……」

と、彼女はリィナの方へ向き、話かけようとした時、リィナは奇妙な顔をして開いた奥をずっと見ていた。

「ねえ、リオナちゃん、今……奥で誰か走り去らなかった?
っていうか見てた?」

疑問気の顔でリオナは奥を覗いてみたものの、暗すぎて何も確認できないようだった。

「さぁ?
気のせいじゃねえの?
とにかく、奥に行こうぜリィナ」

「う、うん」

その言葉にコクリと頷くリィナはリオナの腕にしっかりとしがみついた。
しがみつかれたリオナだが、まぁいいかという呆れた顔をし、そのまま奥へと進む事にした。





コツ、コツと2人の靴音が辺りに響き渡る。
船が少しだけ波に揺れ、ギギギと音を立てている以外は何も音が聞こえない。
蝋燭片手に暗い廊下を歩く内に見つかったのは、一つは明らかに扉が大破しており中への進入は無理そうな扉と、もう一つは大破した扉とは正反対の、ほぼ無傷の扉。

「隣の大破してる扉の部屋、気になるが……ひとまずはこっちの開きそうな扉を調べるか……」

カチャッとリオナがドアノブを捻り開けようとした、その瞬間だった。

“タスケテ”

と、小さな声が何処からか聞こえた気がしたのだ。
それを聞いていたのはリオナ本人だけのようらしく、後ろで待機しているリィナには全く聞こえていなかったようだった。

「あ、開けるぞ」

少しずつゆっくりとリオナは扉を押し、開ける。

中は同じく暗いがロビーほど大きくはないが部屋にはそこらじゅう本棚があり、どうやら書斎室か何かの部屋のようである。
机の上には放置された書物が散らばっている。
そしてそこらに存在する本棚の前には読み終わったと思われる本が詰まれていたりと、雑に扱われていたようにも見えた。

と、リオナ達がその部屋を探索している所、誰かが書いていたと思われる日記を発見した。

「誰かの日記か……えーっと……?
“685年7月15日、今日は船長が自分達に休日をと何処かに連れて行ってくれるみたいっす。
体力のなくてヘマばっかりしてる自分も連れて行ってくれるなんて船長は本当に懐が広いっす。”」

リオナがそう読み進めるなり、リィナは年号に疑問を抱いていた。

「685年……?
今って702年よね……えっ!
ってことは17年前の日記なの!?」

その年号の差にリィナは驚く。
どうやらこの船で航海を始めた年らしく、17年間はヴェルメ海を彷徨っているということになるとリィナは推測した。

さらにリオナは読み進める。

「“685年7月16日、もうそろそろ着く頃と船長がいってたっす。
死んだおふくろ、見てるっすか!?
自分、漁師として働いてホント良かったと思ってるっす!
これもおふくろのおかげっす!”
なんて……こんなことかいてらあ」

リオナが笑いながらその日記を読んでいる。
しかし、その次からのページが全くなくなっている事にリオナは気づく。

「ココで終わりか?
日記なのに2日分のことしか書いてねえじゃねえか……。
やっぱりこの船なにかあったのか?」

途中で終わってしまっているその部下と思われる者の日記を元の場所に戻すリオナ。

「他にも何か日記とかあれば探してみようよ。
どうして17年前の船がこうして幽霊船になってるのか……真相が確かめれるかも」

「そうだな……そのためにも、もう少しこの部屋を探索してみようぜ。
これで終わりなわけなさそうだしな。
リィナはあっちの本棚を調べてきてくれ。
俺はこっちの本棚をもう少し調べてみる」

うんわかった、とリィナが返事し、二人は各本棚を調べ始める。

どれも埃をかぶっており、黄ばみも悪化していて良い状態とはいえないものばかりである。

“コトンッ……”

リオナが本を探している最中、近くで突如何かが落ちるような音がした。
リィナは調べている事に夢中でその音にも気づいていないようだ。

その落ちた音がした所までリオナが近づくと、そこには小さな本が落ちていた。
手帳に近いサイズで持ち運びも簡単に出来そうな大きさの本である。
他の本と大きさを比べてみてもそれは不自然な大きさだった。

「読んでみるか……」

パンッパンッと本についていた埃を取り除くなり、読み始める。
それに書いてある事はなんとも子供らしいことばかり書いてあるようだ。

「きょうは おじいちゃんたちと おふねでりょこう。
だらっくすおにいちゃんとかほかのおにいちゃんたちも いっしょにあそんでくれるみたいだから ぼくたのしみ。」

先ほど拝見した日記の内容とほぼ一緒であるようだ。
続きがあるようで、リオナはペラペラとページを捲っていく。

と、捲っているうちにリオナのコートを何かがクイクイッと引っ張っているような感じがした。

「ん?
どこのどいつだ?
俺のコート引っ張ってんのは……」

引っ張っているモノの正体を確認するべく振り返ると、そこには一人の少年がいた。
悲しそうな瞳でリオナを見上げている。

「お姉ちゃん、助けて」

その子供は一言そう呟いた。

「あん?
っていうか……お前いつからそこにいたんだよ?!」

「この前からずっといるよ」

「この前って……いやそういう意味じゃなくてだな……」

リオナは少年の言葉に戸惑いを感じていた。

と、先ほどまで別の場所を捜索していたリィナがリオナのぶつぶつと喋っている事に疑問をもったのか、

「どうかしたの?
リオナちゃん……って、その子どうしたの?」

状況を問う途中で少年についての方が勝ってしまったのか質問が変わっていた。

「わかんねぇ、この前からいるとか言ってるからよ……多分迷ってこの船乗っちまって出れなくなっちまったんじゃねえか?
な、お前」

リオナがそう聞くと、うん、と少年は頷いた。
リィナはこの少年について少々引っかかった様だが、心の奥底にしまい、とりあえずはその場を済ませた。

「そっか。
ねえボク、名前はなんて言うの?
私はリィナ、こっちはリオナよ」

少年と同じ目線になるようリィナは中腰になり子供に話しかけた。

「ぼく、クリスっていうの。
お姉ちゃんたち助けて」

その少年の純真な訴えにリィナはティニーの時のように思わず抱きしめたくなったが話をはぐらかしてしまうためとりあえず逸る気持ち抑え付ける。

「うんうんっ、お姉ちゃん達にまかせておけば大丈夫だから安心してね!
蝶のような可憐な姿から一変、怪物を前にすれば蜂のように刺す強い戦乙女、それがあたし達G-Aなんだから!」

「お前さっきまでビビってたじゃねえか……」

「何か言った?リオナちゃん!」

「いや、なんでもねえよ」

リィナへの過剰の突っ込みは危険と感知したリオナはそれ以上は何も言わないようにした。

少年はただ二人を物珍しそうに見ているだけだった。

「とにかくっ!
この子をこれ以上この危険な場所に置いとくなんてできない!
なんとかこの子連れて脱出しましょ!」

「そうだな、上の二人にも合流しなきゃなんねえし、ここいらでチンタラしてるわけにもいかねえ。
おいクリ坊、俺達と一緒にくるか?」

リオナの言うクリ坊とはクリスのことのようで、その少年は元気よく頷いた。

「うんっ、ぼくを連れてって!」

うんうんとリオナは首を縦に頷き、クリスの頭をなで、手を差し伸べる。
クリスもその手をぎゅっと握り返す。

その微笑ましい光景にリィナは思わず、

「リオナちゃん、子供好きなんだね」

と口にしていた。
リィナの言葉に照れ隠しに頭を掻き少し黙っていたが、

「そうかもな」

一言だけ嬉しそうにそう言ったのだった。

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