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Red Hearts 29話

第29話『幽霊がなんだって?』

【第6章 -迷走-】

イガナ町にて、リオナ達四人はサーヴァスの厚意を受け、町の宿にて休息をとることになった。

秘宝である紅の炎の情報についてはリオナ達の耳に届くその日まで、普通にG-Aとして普段どおりに仕事をこなす、ただそれだけである。





そして翌朝からRedHeartsもようやく正式に四人となり、それからの仕事については、こなすスピードは二人の時よりもさらに効率のよいものとなっていて、何件かあった仕事も日を越すごとにその数を減らしていったのだった。

しかし、その中でたった一人、今までの調子がうまく取り戻せない者が一人だけいたのだった。

その者こそがリオナである。

そして今回の仕事をこなし、ギルドへ向かう途中の事だった。

(ティニー君……やっぱりリオナちゃん、様子がおかしいよ。
ここ何件かの仕事、ずっと動きにキレがなくて……時折物思いに耽ってるようにも見えるし……疲れてるわけでもないよね?)

心配になったリィナはティニーにリオナに対する思いを耳打ちにする。

(……お姉ちゃん)

ティニーも安心していたわけではなかった。
リオナとガイが大会の時、既に接触していたという事は何となく予想できていた。
今こうして影響が少しずつ出始めているんじゃないかと考えるだけでティニーも心配で胸が一杯になっていた。

「……よしっ、イガナの町の仕事もそれなりに終えたんじゃないか?」

そうティニーが考えてる脇で、リオナが確認をとった。

「んー……さっきやってたスタヴィ林道の方の手配中の魔物も退治したし……。
ヴェルメ海道で蔓延ってたあの無駄に敵が多い仕事もなんとかこなしたし……。
ブルク城からの食材運びも済ませたでしょ……。
あとは……」

リィナは終わらせた仕事や請負待ちの仕事等をメモしたノートを一ページずつ捲っていく。

途中、ページを捲っている彼女の手が止まった。

「っと、これが終わってなかったね……えっと……」

しかしそう言ったまま、リィナはそのページを見つめたままそれ以上語ろうとしない。
見かねたリオナは、

「どうしたリィナ?
他に仕事あるんじゃなかったのか?」

と聞いてみるも、リィナの顔は徐々に顔を歪めていく。

「い、いやぁ……ちょっと凄い事書いてあるなぁ、っていうのを見てから思い出しちゃって……あはは」

引きつり笑顔で答えるリィナ。
リオナは気になって、その事について書いてあるノートを拝見する。

「えっと……“ヴェルメ海に浮かぶ幽霊船”……ってなんじゃこりゃ!
幽霊がなんだって?」

リオナも思わず呆れた声を出してしまう程に信じられないような内容の仕事だった。

「な、なにはともあれ依頼主の所で事情聞いてみよっか」

ティニーの意見に、とりあえず他の三人も賛成し、にわか信じられない内容の仕事について、イガナ町にいる依頼主のもとで話を聞くという形になったのだった。





「というわけで……成る程、今回の依頼主は豪華客船の船長……ってことか」

リオナ達四人が来た場所はイガナ町の南にある港区。
豪華客船が出航する、ルルアンの港にある“シーパラダイス発着場”だった。
発着場もだが、その周辺も活気に溢れ、栄えている。

今回の発着場も、豪華客船を構えているだけあって建物の中へ入ってみれば装飾も大変豪華にできていた。
天井に飾られたシャンデリアや、置かれた銅像、床に敷かれた赤い絨毯など、そのさまはまさに豪華絢爛である。

「うっひゃぁ……こんだけ広いと簡単に迷っちまいそうだな……」

リオナは辺りを見渡し、その広さに感動するどころか不安さえ覚えていた。

「お姉ちゃん!
こっちみたいだよ。
フロントの人に船長さんを呼んでもらっておいたから」

ティニーがリオナへと手を振っていた。
一足先に受付の人に船長を呼んでもらっているところだったようである。

彼女はティニーのいる受付の場所まで近寄り、

「それにしても幽霊船、ねぇ……ホントに出んのかよ?」

「私も、冒険モノの小説で見る話とかだと思ってたんだけどホントなのかなぁ……」

リィナ達も不安を過ぎらせていたその時、後ろから歩みよる音と共に、

「そんなことはない。
私はこの目で見たのだからな」

そういいながら語る人影、その人こそ今回の依頼主である船長だった。

「詳しい経緯は奥でしようか。
ここで話すとなると少々……な」

辺りの客を見ながら船長はリオナ達へと指示を送る。
それに同意する彼女達は、コクリと頷き、そのまま船長に案内されるままに奥の部屋の応接室にて詳しい話を伺う事となった―。





「今回私が依頼した内容はその名の通り。
先ほども言ったように、幽霊船についてを調べてもらいたい。
もし幽霊船が未だウロウロしてると考えると気が気でならない。
実際にそれのせいで運行が停滞気味なのも事実だ。
……しかし、信用性が無いのも仕方がないのかもしれん。
なんせ目撃者は、一人で船をテスト運航させていた私だけなのだからな……」

応接室にて、船長は淡々と現状について語る。
そして、船長はその時の事を思い出しながら、その事件に確証をつけるかの如く言葉を紡ぎはじめる。

「最初見た時は腰が抜けると思ったが、なんとかこらえてから、私はすぐさま持っていた“紋章撮影機”をとりだし、撮影することに成功したのだ」

その紋章撮影機という手でもって持ち運びできる大きさの機械をリオナ達へ取り出して見せた。

「これ、最近発売された紋章撮影機じゃない!
私も欲しかったんだけど、高くて買えなかったのよ……これ。
実物をこうやって触ったの始めてかも」

リィナが目を輝かせながらも残念そうな顔でその商品への願望を話した。

「なんだ、これってどうするやつなんだ?」

リオナはそれがどういうものか分かっていなかったようなので、リィナは得意気の顔で語りだした。

「よっくぞ聞いてくれたわね!
この紋章撮影機は、中に紙とか色を付けるための小さな部品とかが入ってて、ここに覗き込むための鏡、あるでしょ?
ここを覗きながら撮影したい相手をこうやって照準を合わせて、ここのボタンを押せば、自動的に紋章が動く仕掛けになってて、その相手を撮影することができるの」

ペラペラと得意気な顔で喋るリィナ。
リオナもなんとなくは理解できたようだった。

「へぇ、すごいな。
これで今回の幽霊船を撮ったってわけか。
それの写真はどれなんだ?」

リオナは幽霊船の写り栄えを確かめるため、船長へと問う。

「これだ。
結構いい写りだから自信があるぞ」

そう言って、写真のアルバムを取り出し、その中から一枚、例の写真を取り出す。
霧がかかっていたようだったが、中心には幽霊船を思わせる古びた船が写りこんでいるのがリオナ達の目にもはっきりと分かった。

「……!」

ここで、今まで感情を出すことがなかったエレが初めて顔を歪めた。
それに気づいたティニーは、

「エレさん、心当たりとかあるの?」

彼のその質問に対しては首をフルフルと横に振ったが、

「……わからない。
でも写真を通して強い思念が伝わってくる……」

写真に感じた何かを伝えるエレ。
それが何を示しているのかは彼女にはそれ以上わからなかった。

「……確かに、タダ事じゃないような感じはするな。
わかった、引き受けるぜ船長さん」

ただならぬ雰囲気を身に感じたリオナだったが、困っている船長のため、彼女たちは仕事を請け負う事を承諾した。

「そうか。
そう言ってくれると実に有難い。
現在それにあたっての臨時船の整備の途中なのでそれが終わるまでこの町を散歩してくるといい。
ちなみにこの町の特産といえばやはり海が近いということで海産物類が主だな。
色々立ち寄ってみるといい。
恐らく整備は一時間後に終るから、その時になったらここに来てくれ」

船長がそう指示すると、リオナ達は頷き、

「わかりました。
それでは一時間後、再度お伺いいたしますね」

ティニーが代わりにそう言うなりペコリと頭を下げる。
そのまま彼女達は一旦応接室から退出したのだった。

それからというものの、リオナの食べ歩きツアー、リィナの買い物の付き添い等、あれやこれやとやっているうちに一時間はあっという間に過ぎてしまったのだった。





そして、約束の時間はやってきた……。

「この町を堪能できたかな?
一時間じゃ少なかったかもしれんが今回は勘弁してくれ。
それじゃあ早速臨時船に乗ってもらう事になるが、もう準備はいいのか?」

船長がそう尋ねると、リオナ達は頷いて完了の意思を伝える。
うむ、と船長は了解した顔で、

「時間も丁度頃合だ。
早速向かおう。
船に乗る時はお客専用の入り口から入ってくれ」

そういって、船長はすぐそこの入り口を指差し乗船を促し、船長もそのまま乗務員専用入り口へと向かい、船の中に入っていったのだった。

「船かぁ~……。
私、乗るの久しぶりだなぁ~!」

リィナは乗船した思い出に浸り、背伸びしながらそう言った。

「エレは私と一緒に乗った事あるから知ってるけど、リオナちゃん達はどうなの?」

リオナ達に対し、乗船経験についての質問をリオナ達へするも、

「いや、乗った事はねぇな。
海を見るのもこれが初めてだしな。
俺ほとんど陸歩いてたから」

「僕もだよ。
村の仕事ばっかり手伝ってたから、村の外の事には疎くて」

二人とも乗船経験はないようで、リオナ、ティニーの順に答えた。

「そっかそっか。
船は楽しいよ~!
でも船酔いだけには気をつけてね。
気分が完全に台無しになっちゃうからね。
ポイントは潮風を身に浴びて爽快感で一杯にすること!」

こちらの方でも得意そうに語るリィナ。
うんうんと頷くリオナとティニーとの三人の関係は正に先生と生徒のようだった。

「よっし!
本題の方の幽霊船調査、頑張って行こうぜ、三人とも!」

リオナの掛け声に、おーっ!と腕をあげて答えるリィナとティニー。
その後ろからエレも腕をあげていた。

こうして、ヴェルメ海に浮かぶ幽霊船調査の仕事が始まったのだった。

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RHは現在もガンガン進行中!(?)長期休載とかなるべくしないように頑張るぜ!!

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